presquerien

 翼を持つ異形の姿、確かに人ではない事はわかっていた。

 「…同じ姿でいてくださるから、安心します。とても」

 他の人間とは違う軸に乗せられ、本来ならば知ることのないことまで知ってしまった恐怖からの言葉であるとは承知している。

 それでもなぜだろう、こんなにも胸が熱くなるのは。

 続ける言葉を無くし、アイルは何も言えなかった。

 どこまでもまっすぐで、賢く、美しい女。

 その認識は出会ってからこれまで、少しも変わらない。

 
< 11 / 29 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop