presquerien
毎度のことだった。
この男、恐ろしく意志が弱く、前世のシニアンとしての魂と現世の魂の想いで激しく変容し揺れる。
今と昔の二つの想いの違いがありすぎるがゆえに、現状に上手く馴染めない。
彼女はちがう、彼女は特別であった。
今が最悪であるが為に、過去の自分の想いに容易く現在の魂が負ける。
彼ほど確固たる決意も思いも目指す先もないが為の、ブレでもあった。
前世の想いが強すぎて、現世の自分の魂が死んでしまう。
記憶は残るにしても、前世の魂に自我ごと乗っ取られている。
それは神の操作とも言えるが、真相はわからない。