presquerien
深いため息と共に酒を煽り、王はアイルを見た。
「毎度毎度…飽きもせず俺達を輪廻の輪にのせてくれてありがとう」
皮肉を含んでいることは顔を見ればよくわかる。
今はもうキュイとして歩んでいるのだ、前世を忘れたいと言う気持ちもよくわかる。
だが、彼女にとって前世の想いが全てなのだ。
神との約束もある、永遠を誓い輪廻の輪に乗せるそれがアイルの役目でもある。
どれだけごねようとも抗う事の出来ない運命である。
「それはどうも」
皮肉には皮肉で返そう。
どれだけ現世の自分が大切でも、輪廻の輪に乗った以上運命には逆らえない。
永遠に傍にいると誓った、それは変わらない。永遠に。
「…いつ、終わるんだ…」
「永遠は言葉のまま永遠だ。終わりなき誓いだろう。魂にでも聞いてみろ」
「まるで悪魔だな、お前」
それ程までに、嫌なのだろう。
前世に縛られる自身の運命が。