presquerien
嫌な仕事だ。
再度思い、廃屋を出た。
久しぶりの土の感触は乾いている。
吸い込んだ空気も汚染され毒されたような匂いがする。
それを神はうれいているのだろうか。
否、今の神の想いはただ一つ。
永遠を繰り返す輪廻の輪の中の彼女のこと、それだけだ。
くだらないとアイルは思う。
だがそれを口に出すことはない。
歩む先、商人がアイルを見て眉を寄せた。
客とは思えぬ風貌に持っていた棒切れを振り上げて威嚇してきた。
「…味方だ、今は」
口を開くよりも先に手をかざし、商人の脳内を書き換えた。
途端に笑顔になる商人が引き下がる。