真実の愛を見つけたい『I want to find the truth of love』
二項
…プロフィール
私は、
結城 夢穂(ゆうき みずほ)
結城財閥の一人娘として生を受けた。
父
結城 貴彦(ゆうき たかひこ)
結城オリエントコーポレーションの社長
父は、厳格な人で
家を省みる人ではなかった。
私は、小さい頃から
父と一緒に食事をしたことも
父と何かをした事も一度もない。
母
弥生(やよい)
母は、とても綺麗な優しい人で
私をとても可愛がってくれて
私は、そんな母が大好きだった。
そんな母は、私が大学生の時に
亡くなった。
昔から、心臓が弱く
父と一緒になったばかりに
心労がたたり亡くなったと
言ってもよい。
元々、母が結城財閥の一人娘で
結城の会社に勤めていた父を
祖父が、気にいって
母と結婚させたらしい。
祖父母は、母を可愛がっていたから
母が、亡くなったとき
自分達を責めていた。
父に娘を嫁がせた事を・・・
父は、確かに仕事は出来るが
家庭を省みる人ではなかったから
母の心労は大変だったはずだが
母は、決して
父を悪く言うことはなかった。
亡くなる前も
父を責めないで欲しいと
祖父母に頼んでいた。
それなのに、母が亡くなって直ぐに
接待で使っていたクラブの
ホステスを嫁の座に勝手においた。
それが後妻の美里(みさと)さんだ。
父と10歳離れていて
父は溺愛していた。
そんな、父を見て
母の事が尚更、可哀想で
祖父は、悲しみにくれて亡くなった。
祖母は、私の事を心配しながら
別荘に移ってしまった。
祖父が、とても大切にしていた別荘だ。
私は、大学から祖母(茜・あかね)と
祖母の身の回りの世話を長年して
くれている大賀夫妻と暮らし
通訳、翻訳の仕事についた。
父を見てきたから
男性にも結婚にも興味もなく
祖母は心配するが
仕事が楽しくて仕方なかった。