真実の愛を見つけたい『I want to find the truth of love』

…父の策略 結婚


私は、
英語、中国語、フランス語
ドイツ語、韓国語が話せる。

小さい時から
母が習わせてくれていた。

母も話せるから、二人の時は
『今日は、ドイツ語の一日』
と、決めて過ごしたりした。

楽しい日々だった。

母は、
「いつか役にたつ時がくるから」
と、言ってくれていた。
本当に、今、凄く役にたっている。



そんな、私が30歳になった時
父から連絡があり
自宅に来るように言われた。

父の後妻の美里(みさと)さんの
弟と結婚するように言われた。

「どうせ、男もいないだろうからと。」

嫌だと、何度も言うが
父は、
「それなら、
婆さんの住んでいる別荘を
売って住めなくするぞ。
お前は、俺の言う通りに
していればいいんだ。」
と、脅してきた。

父は、いつのまにか
別荘も、自分の名義にしていた。

私は、大好きな祖母の為に
嫌々、美里さんの弟の洸さんと
結婚することにした。

祖母は、今まで結婚とか恋愛とか
言ったことのない私が
いきなり結婚すると
言い出したから、かなり心配していた。

だが、父に言われた事を
祖母に言えなかった。
言えば、私の為に身を引くような
人だから。

私、夢穂 30歳
   洸 39歳

洸さんが、婿養子になり
結城を名乗る。

洸さんは、父の会社に入っていて
私と結婚したら専務になるらしい。

全て、美里さんの考えだとわかった。

美里さんが電話で
誰かと話しているのを耳にした。

結城を外堀から埋めて
いずれは、自分の物に
するつもりらしい。



洸さんは、物静かな人だった。
私達は、父からマンションをもらった。

私は、
父のいいなりには、
なりたくなかったが
洸さんが
「ここで良い」
と、言うから仕方なかった。

マンションは
グリーンメゾン 701号室だった。

私達は、結婚しても
一緒に寝ることもなかった。

食事は、たまに一緒にするが。
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