真実の愛を見つけたい『I want to find the truth of love』
九項

…幸せ


父と美里さんは、
逃げるように出国したようだ。

私にもお祖母ちゃまにも
詫びもなく・・・

私は、血の繋がりがあるだけに
情けない思いがあったが
琉斗さんは、
「夢穂の身内は
おばあさまとモーガン家。
吾妻の両親。そして、俺と嵐
それでいいじゃないか」
と、言ってくれた。

私は、琉斗さんに大事にされ
吾妻のご両親にも
可愛がってもらい

私も吾妻の両親を
自分の本当の両親のように
今まで出来なかったことを
沢山して楽しんでいた。


琉斗さんも嵐君も私に優しくて
私は、本当に幸せだった。

今日も琉斗さんに沢山愛されて
意識をなくし眠りについた。

そんな私は、初めての妊娠で
男の子を出産した。

嵐は、六つ違いの弟を
とても可愛がってくれた。
弟は、四季(しき)と名付けた。

嵐は、お祖母ちゃまから
色んな言葉を習い
私とも会話の練習をすることが
毎日のようだった。
「夢穂ママ。
今日はドイツ語で
今日は、フランス語で」
と、言って楽しんでいた。

琉斗さんは、
お父様の後を継いで
吾妻総合病院の院長と外科医を
兼務やることになった。

お祖母ちゃまは、
体調を崩される事が多々あるが
四季と良く遊んでくれていた。

新婚旅行でイタリアの大おじ様に
お会いすると、
幼いときの茜にそっくりだと
喜んでくれた。

大おじ様は、本当に多忙な方で
少ししか、お会い出来なかったが
「いつでも、茜や夢穂の事を思っている」
と、言ってくれた。
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