真実の愛を見つけたい『I want to find the truth of love』
三項

…熱


夢穂は、ここを引っ越して
祖母の別荘に戻ろうと考えていた。

だが、仕事が立て込んでいて
中々、出来ずにいた。

そんなある日‥‥
マンションに戻ると
隣の玄関に踞るように座っている
子供がいた。

「僕、どうしたの?」
男の子のそばにいき
座って訊ねたが返事がない。
「こんな所にいたら
風邪引くよ。お家の人は?」
と、その子にそっと触れと、
男の子はズルッズルっと崩れた。

私は、びっくりして
彼を支えると
熱い!
おでこに触ると
やはり、熱い!

私は、慌てて家に運び
彼を楽な体制にして
頭にシートをはり
熱を測ってみると
39度!!

私は、昔からお世話になっている
結城の主治医の先生に来てもらった。

おじいちゃんだけど
優しくて大好きな先生だ。
「ほぅ、お嬢様
   こちらのお子は?」
「隣の子供さんみたいなんです。
玄関に坐り込んでいて
声をかけたら、倒れてきて
びっくりしました。
先生、風邪かしら?」
「そうじゃの。
インフルエンザでは無さそうだ。
じゃが、扁桃腺が腫れているから
熱が高いし、腫れが中々引かないかも。
安静にして、食べれたら食べて
水分を取らせて下さい。」
と、言って点滴をしてくれた。

先生が、居てくれる間に
お隣の玄関に付せんをはり
“お子さんは、預かっています。
お帰りになられたら、701に
連絡ください。”と。

それから、
子どもが、食べれそうな物を
先生に聞いて買い出しに行った。
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