カラフルなセカイのナカで。~ 掌編集 ~
きっと暑さのせいだ。
連日の猛暑で頭までやられちまったんだ、きっと。
だっておかしいだろ。
ちっちゃいときからずっと一緒だった幼なじみに欲情するなんて。
「おまえ、それわざとやってる?」
「なにが?」
今日もあいつは昼過ぎにオレん家に来て、勝手に冷凍庫からアイスを取り出して冷房が効いたオレの部屋で勝手にテレビをつけて呑気に甲子園なんかを見ている。
それだけでもイライラするというのに、さっきからボタボタとアイスの欠片を落としてやがる。……ミニスカートから覗く太ももに。
ごくり、と喉を鳴らす。
落としたアイスが熱で溶けて肌を伝う。
それが妙に色っぽくてオレは───、
「……これ、なんの冗談?」
ほんと、どうかしている。
気づけば幼なじみを押し倒していた。
こんな状況でもこいつは平然としていて、それが余計にオレを苛立たせる。
こいつ、なにを考えているんだ。
いくら幼なじみとはいえ、オレは〝男〟だぞ。
そんな格好されたら、そんなに隙を見せられたら、こんなこともしたくなるわけで。それをこいつはなにもわかっていなくて。……ムカつく。