ずっと、キミが好きでした。
プロローグ
「あ……」
朝、ベッドから起き上がると床の上に1枚の写真が落ちていることに気付いた。
表面を上にして落ちていたそれは、中学2年生の時の体育祭の写真。
昨日の夜は気付かなかったけど、珍しくクローゼットの整理をしたからその時に落ちたんだろう。
写真の中の幼い私とその隣で優しく笑う彼が、あの頃から12年経った私をまっすぐに見つめていた。
明るく無邪気なその笑顔を見ると、胸が鷲掴みにされたように苦しくなる。
不意に涙で視界がボヤけた。
今でも忘れられない、私の大切な人。
好きで好きで大好きすぎて、キミのことを想うと今でも胸が張り裂けそうになるんだよ。
キミの深い優しさや陽だまりみたいな笑顔に包まれて、ずっと過ごしていたかった。
温かいキミには、足りないところなんてひとつもなかったのにーー。
キミはずっと苦しんでいたんだね。
気付いてあげられなくてごめんね。
一番近くにいたのに、なにもわかってなかったね。
願わくば、もう一度キミに逢いたい。
あの頃から私の気持ちはひとつも変わっていないんだって、伝えたい。
絶対に帰って来るって言ったじゃん。
ねぇ、早く帰って来て。
お願いだから、もう一度だけ逢いたい。
*ずっと、キミが好きでした。*
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