ずっと、キミが好きでした。
それからというもの、れおはぼんやりしていることが増えた。
話しかけても上の空で、会話の辻つまが合わないこともしばしば。
肩を叩くとハッとしたように我に返って、その都度会話の内容を何度も何度も私に訊き返した。
きっとまだ、受験に失敗したことで落ち込んでいるんだ。
力になりたいとは思うけど、何を聞いても『大丈夫』としか言わないから、深く追求することも出来なくて。
どうすればいいのかわからずにいる。
告白の返事も、タイミングを逃してしまって切り出せずにいる状況。
「やっちゃん、どうしたられおを元気付けてあげられる?」
「しずくでもお手上げなら、あたしにわかるわけないよね」
「うっ、そうだけどさ」
「桐生君って、一般入試でも星ヶ崎受けるの?」
「ううん。受けないって言ってた」
「そっか。でも、桐生君が落ちるって意外だったなぁ」
星ヶ崎高校がどのくらい偏差値が高い高校なのかはわからないけど、推薦で落ちるのはかなり珍しいことだったみたいだ。
それなのに、落ちた。
やっちゃん曰く、答案用紙に名前を書き忘れたか、回答欄がズレていたという初歩的なミスをおかしたせいじゃないかということだった。
私にはれおがそんなミスをするとは思えなくて納得は出来なかったけど、じゃあなんで落ちたのかと聞かれても答えられない。
「じゃあ、明倫学園に決めたってことだよね?」
「ううん、それも違うの」
「えっ!?なんで?」
やっちゃんが驚いたように目を見開く。