ずっと、キミが好きでした。
その傷をどうにかしてあげたいと思う私は、ただの偽善者なのかな。
でも、れおが私を必要としてくれている限りはそばにいる。
絶対に離れない。
好きだから……。
「わー、見て見て!すっごい綺麗!」
れおの腕を興奮気味にバシバシ叩くと、繋がったままの手が反動で揺れた。
そんな私にれおが苦笑する。
うん、これはいつもの光景。
「ねぇ、あれ!夏の大三角じゃない?」
「どれ?」
私が指差した方向を同じように見上げるれお。
「ほんとだ。よくわかったじゃん、えらいえらい」
れおは口元に笑みを浮かべながら、私の頭をポンポン撫でた。
上から顔を覗き込まれ、目の前にあるれおの笑顔にドキッとする。
そんなに至近距離で見られたら、どんな顔をすればいいのかわかんないじゃん。
「も、もう!バカにして。私だって、それくらいわかるんだからね」
「はは、またスネてる」
「スネてないもん」
フンッと鼻を鳴らしながらプイとそっぽを向いたのは、完全なる照れ隠し。
あーあ、今の私ってば全然可愛くない。
私だけ……。
私だけがれおの行動にドキドキしたり、赤くなったり、戸惑ったりしてるんだ。
きっと、れおはなんとも思っていない。
だから、ドキドキさせるようなことを平気でやるんだ。
れおも少しはドキドキしてくれたらいいのに。
スネた目でれおを見れば、れおはさらに目を細めて笑った。
大人っぽいれおと子どもの私。