ずっと、キミが好きでした。
何かあるのは明白なのに、今以上に冷たい瞳で見られたらと思うと、怖くてそれ以上は何も言えなかった。
れおに怖いという感情を抱いたのは初めてで、かなり戸惑う。
今まで私に対して怒ったことがなかったれおに向けられた初めての敵意に、胸が張り裂けそうだった。
「ごめん……。けど、しずが心配するようなことは何もないから。用事があるから、また明日な」
れおはブランコから立ち上がると、私の顔を見ないようにうつむき気味で横を通り過ぎた。
フワッと漂ったスカッシュ系の香りに、涙がジワッと溢れて来る。
なんで……。
どうして私を置いて行くの?
「ま、待ってよ……れお」
情けない私の声が、寒空の中に消える。
遠ざかって行くれおの背中を追いかけたいのに、拒絶されたらと思うと足が棒のようになってしまって動かなかった。