ずっと、キミが好きでした。


「で、なんの用だよ?」


「あ、そうだ」



忘れかけていたけど、やっちゃんのために大雅を呼び出したんだ。



「一緒に写真撮りたいなと思って」


「写真?それなら、教室で撮りゃいいのに」


「い、いいじゃん。廊下で撮るのも、思い出に残るしさ!」


「はぁ?」



うっ、なんだか思いっきり不審がられてる。


ちょっと厳しい言い訳だったかな。


辺りを見回してやっちゃんを探すと、廊下の踊り場で他のクラスの女子と写真を撮っていた。



「ほ、ほら!あそこにやっちゃんもいるし、せっかくだから2人で撮ってあげるよ!」


「お前は写んねーのかよ」



ますます不審がる大雅。


やっぱりムリがあったかな。



「だ、だからみんなで撮ろうってこと!」


「まぁ、別にいいけど。なら、まず俺ら2人で撮ろうぜ」


「え?」



大雅は廊下を通りかかった友達に自分のデジカメを渡すと、私の隣に並んだ。



「ほら、お前もなんかポーズ決めろよ」


「う、うん」



大雅に急かされ、ありきたりなピースサインをしてみせる。


まぁ、思い出に1枚撮っておくのもいいよね。


イジワルな大雅とってのは気に入らないけど、なんだかんだ総合的に見るとほんの少しだけ良い奴だし。


れおの親友だという時点で、それは証明されてるけどさ。


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