ずっと、キミが好きでした。
キミの気持ち
それからわずか1週間後のことだった。
可愛い雑貨屋さんを見つけたから、帰りに寄ろうとちーに誘われ、普段めったに来ることのない駅ビルの中へやって来た。
家から高校まで徒歩で15分の私と、電車通学のちー。
帰りは別方向だから、こうして示し合わせない限り一緒になることはない。
学校帰りのこの時間帯、多くの高校生で店内は騒がしかった。
ちーの言うように可愛い小物がたくさんあって、ごちゃごちゃした店内を物色するように見回す。
あ、これ可愛い!
小さなスパンコールで蝶々が形取られたヘアピン。
しかも、最後の1個だ。
チャーンス!
そう思って手を伸ばした時、まったく同じタイミングでゴツゴツした大きな手が横から伸びて来た。
「「あ」」
お互いに同じ物を取ろうとしているのがわかって、これまた同じタイミングでお互い手を止め、思わず相手の顔を見上げる。
すると、思いっきり目が合ってしまった。
わー、ど、どうしよう……。
手を伸ばしてしまった手前、引っ込めることも出来ずに固まる。
相手が男の人だということにも、失礼ながらビックリしてしまった。
「えっと……すみません。私はいいので、どうぞ」
手でヘアピンを指し、相手に勧める。