ずっと、キミが好きでした。
「ふふ、怜音君って心配性だね。大丈夫だよ、迎えが来るし」
「でも、せめてそこまで。この辺暗いから、何かあったら顔向け出来ない」
姿は見えていないのに、会話を聞いているだけで胸が痛くて仕方なかった。
ねぇ、れお。
その子は誰?
れおのなに?
「いいからいいから。じゃあ最後に、はい、どうぞ」
「俺は……キミを……愛して……います」
「うん、よく出来ました。ちなみに、私も……と」
胸が張り裂けそうで、気付くと私はその場から駆け出していた。
れおの声が頭から離れない。
『俺は……キミを……愛して……います』
泣かないって決めたのに、走っている途中で涙が溢れた。
なにあれ。
なにあれっ。
なんなのよ、あれはっ!
「うー……っく、ひっく」
涙が止まらない。
なんなのなんて、聞かなくてもあの短時間で察してしまった。
2人はお互いに愛し合っているということを。
れおはもう、私のことなんて完全に忘れてる。
忘れて新しい道を歩いているんだ。
私だけ……私だけが、れおとの幼なじみの関係に依存してこんなにもキミを求めてる。
好きだって……私の気持ちを声で聞きたいって……そう言っていたれおの姿は、もうどこにもいない。