ずっと、キミが好きでした。
第4章〜運命のイタズラ〜
失恋
それからどんな風に毎日を過ごしたのか記憶が曖昧で、気付くと桜が咲き乱れる季節に突入していた。
高校2年生、春。
クラス表が貼り出された掲示板の前には、砂糖に群がる蟻のごとく人だかりが出来ている。
「しー、今年もまた同じクラスだよ!」
「本当?やったぁ!」
「しーず、俺も」
「げっ、大雅」
ちーと手を取り合って喜んでいるところに、大雅が歩み寄って来た。
大雅は中学の時に比べると随分身長が伸び、顔付きも大人っぽさが増して凛々しくなった。
ただ、中身は変わっていないけど。
「げってなんだよ、げって。もっと喜べよな、バーカ」
「だって、3年連続同じとか。いい加減飽きるでしょ」
「薄情な奴だなぁ。ぼっち飯に付き合ってやったのは誰だよ」
なんてスネたようにぶつくさ言う仕草は、実にガキっぽい。
黙ってればかなりのイケメンなのに、もったいない。
それでも、大雅にも優しいところはあるんだけどね。
「そんな昔のことなんて、とっくに忘れたよ」
「なんだと、テメー」
「あはは」
2人で言い合っていると、周囲からの視線をひしひし感じた。