ずっと、キミが好きでした。


れおは私のことなんか忘れて、とっくに前に進んでる。


いつまでも過去にすがって前に進めないのは、私だけ。


れおの中に私の存在がこれっぽっちもないことは、拒絶されるよりもずっとツラい。


幼なじみって、私とれおの関係って、こんなに薄っぺらいものだった……?


思い出すと涙がこぼれそうになるから、あれ以来考えないようにしている。


だけど、絶えず頭の片隅にあった。



「しず、ボーッとしてんなよ。今日の帰り、ヒマだろ?ちょっと付き合え」


「いや、ヒマじゃない。ちーと寄り道して帰るんだから」


「そんなの、帰宅部のお前らは明日でもできんだろ?俺は部活があるから、今日しかねーんだよ」


「いや、頼んでない」


「うっせー、空けとけよ」



大雅は私にそう念押しすると、後ろで騒いでいる男子の輪の中に消えた。



「んふ、見たぞー!放課後、2人でデートですかー?」


「そ、そんなんじゃないってば。もう、ちーったら」


「あはは、いいじゃん。しーもそろそろ、他の男に目を向けるべきだよ」


「…………」



目を向けるべき。


確かにそうなのかもしれない。


でも、私の中でれおの存在は確実に大きくなっている。


どうしたら、忘れられるのかな。


どうやったら、思い出に出来る?


今でもキミのことを思い出すと、こんなにも胸が締め付けられるんだ。


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