ずっと、キミが好きでした。
放課後、半ば無理やり大雅に引きずられ、連れて来られた場所は地元の公園。
昔、れおとよく来た公園……。
「なんで公園?」
「いいじゃねーか、たまには。俺は部活で忙しいから、たまにしか来れねーんだよ」
「ふーん。でも、さっきからなにキョロキョロしてるの?他にも誰か来るの?」
ベンチに並んで座りながら、チラリと大雅に目を向ける。
あからさまに入口の方を気にして、誰かが来るのを待っているみたいだった。
「怜音を待ってる」
「は?」
大雅の言葉に自分でも驚くほど低い声が出た。
意味がわからない。
れおを待ってる?
大雅が……呼んだの?
「なんで……なんでそんな勝手なことするの?私、帰る……」
「逃げんのかよ?」
いつものふざけた大雅ではなく、その表情は驚くほど真剣だった。
射抜くようなまっすぐな瞳で見つめられ、思わず目をそらしてしまいたくなる。
「逃げるよ。ツラいもん。もうこれ以上、傷付きたくないの……!大雅には、私の気持ちなんてわかんないよ」
「冬に……怜音んちに向かって歩いて行くお前を見かけて、気になってあと付けた。あいつんちから出て来た2人の姿も見たし、なにを話したかも知ってる」
「なら、話は早いでしょ。私……帰る」
立ち上がって大雅に背を向けた。
「お前はまた、そうやって逃げんのかよ?一度だって、お前はあいつに本当のことを聞いたことがねーだろうが!」
「……てよ」
「ちゃんと向き合って話してみろよ。そしたら」
「ほっといてよっ……!私の気持ちなんて……大雅には絶対にわからないんだからっ。向き合うのが怖いんだよ。現実を突きつけられて傷付くのが怖いの!」
だったら、逃げてる方が楽だから逃げる。