ずっと、キミが好きでした。
言いたいことや聞きたいことはたくさんある。
でも……怖い。
また……拒絶されたら?
もう、逢いたくないと思われていたら?
唇をキュッと噛み締めて、れおに背を向ける。
「わ、私、急いでるから……っ!」
臆病な私は、大雅からもれおからも逃げてしまった。
最低……。
私って、本当に最低だ……。
しばらく走ったところで足を止め、ブレザーのポケットからスマホを取り出す。
もうムリ。
もうやだ。
1人じゃ抱えきれない。
涙でボヤける画面を操作して、ちーに電話をかけた。
ちーは涙声の私にビックリしていたけど、どうやらちょうど学校を出るところだったようで、これから落ち合うことになった。
待ち合わせの駅まで来ると、ちーはすでに待ってくれていて、私の姿を見つけるなり駆け寄って来た。
「しー!なにがあったのかは後でゆっくり聞くから、とりあえずあたしの家に行こう!」
「うん……ごめんね」
「いいよ!困った時はお互い様って言うじゃん」
「ありがとう……」
明るくて優しいちーの存在に救われた。
ダメダメな私。
ちょっとは強くなりたいのに、全然ダメだ。
「ここがあたしの家だよ」
「お邪魔します」
「どうぞどうぞ」
ちーの家は住宅街の中にある綺麗な一戸建てだった。
ちーと京太君が中学を卒業した年の春に、引っ越して来たばかりなんだとか。
「ここがあたしの部屋なの。入って」
「うん」
部屋の中は小物がごちゃごちゃしてたけど、綺麗に整理されててオシャレな感じの部屋だった。
ピンクが好きなちーらしい可愛い部屋。