ずっと、キミが好きでした。
「こんにちは、お邪魔します」
「しずくちゃん、久しぶり。どうぞどうぞ」
久しぶりに見るサクさんは最後に見た時と変わってなくて、その笑顔になぜかホッとした。
緊張してたけど、一気に肩の力が抜けて、さっきよりも冷静になっていく。
ケーキを食べるような気分ではなかったけど、嬉しそうに準備をするサクさんを見ていたらいらないとは言えなくて。
「うち、男ばっかだし、みんな甘い物嫌いでしょ?1人で食べても美味しくないしさー。しずくちゃんが来てくれてよかった!昔はよく一緒に食べたよね」
「うん。カナさんもりお君もれおも……甘い物が嫌いだもんね」
「そうなんだよー!今日はね、さっきまでお客さんが来てて。その人が手土産に持って来てくれたんだ。どれがいい?」
ケーキが入った箱の中身を私に見せるようにして、サクさんが聞いて来た。
中には美味しそうなケーキがたくさん。
「じゃあ、ショートケーキを」
「あ、もしかして今はあんまり食べたくなかった?」
「え?」
「ふふ、れおがね。しずくちゃんがショートケーキを選ぶ時は、食べたくないか、お腹がいっぱいの時なんだって前に言ってたから」
目を見開く私に、サクさんは優しく微笑みながら教えてくれた。
「あと、飲み物は絶対にココアじゃないとダメなんだって言ってたよ。しかも、糖分控えめじゃなくて甘いやつ」
「…………」
れお……。