ずっと、キミが好きでした。

動き始めた時間



バカッ。


バカッ!


れおのバカッ!


どうして?


なんで私に話してくれなかったの?



れおの家を出た私は、溢れて来る涙を拭いながら全力疾走で公園へと向かった。


もういないかもしれない。


でも、逢いたい。


れおに逢いたい。


その一心で公園へと走った。


辺りはすっかり真っ暗で、夜空に浮かぶ満月が綺麗に輝いている。


春の夜風はまだまだ冷たいけど、走っていたら次第に汗が滲んだ。



本当にバカなのは私の方。


れお……ごめんね。


私は何も知らなかった。


キミの苦しみや涙の理由。


ごめんね……。


ごめんなさい。


れおの話を聞こうとしなかったのは、私の方。


勝手な思い込みでカン違いして、離れることを選んだのは私の方。


ごめんなさい……。


今になって気付くなんて、本当にバカだよね。



「はぁはぁ……っ」



公園に着くと、辺りは不気味なほどシーンとしていた。


この辺はめったに車も通らなくて人通りも少ないから、夜は危ないと近所の人たちやお母さんが言ってたっけ。


街灯が点いているとはいえ、中は真っ暗で入って行くのをためらってしまう。


い、いないと思うけど……それだけ確認したら、すぐに出よう。



「ひっ」



カサカサと葉が擦れる音にいちいちビックリして、肩を揺らした。


こ、怖いよ。


ひと気があるならまだしも、暗闇ってすごく苦手。


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