ずっと、キミが好きでした。


乱暴で読みにくい字だったけど、本気の想いが文字から伝わって来た。


曲がったことが大嫌いなお調子者の大雅らしい言い分。


ちゃんと向き合え……か。


しずは俺のせいで苦しんでるのか?



「好きなんだろ?」



文字ではなく、今度は俺の目をまっすぐに見据えて大雅は言った。


力強いまっすぐな瞳。



「ああ……。ずっと、好きだった。忘れようとしても、忘れられなかった」



ようやく今、そのことに気が付いた。


いや、気付いていたけど気付かないフリをして逃げていた。


ようやく今、自分の素直な気持ちと向き合うことが出来た。


しずが好きだ。



「バレバレなんだよ、お前ウソつくの下手だしな。お前もしずも、マジで大バカ」



フッと笑いながら、目元を腕で拭う大雅の仕草にグッと来た。


俺は、どうして今まで向き合うことをしなかったんだ。


しずだけではなく、大雅のことも苦しめていたなんて。



「うん……ごめん。俺……俺」


「いいよ、もう。何も言うな。中学ん時の担任に全部聞いたから」


「ごめん………俺、マジで」


「だーかーらー、もういいっつってんだろ。それより、しずのことはちゃんとしろよ?ここで立ち上がらなきゃ、お前は男じゃない。認めてやんねーからな!」



全部は読み取れなかったけど、多分きっとそんな風に言ったんだと思った。


大雅の言いそうなことだ。


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