ずっと、キミが好きでした。


大雅はすべてを予想していたみたいに、私と目が合うとスッと立ち上がって廊下に出た。


そして、ズンズン歩いて行く。


屋上の扉の前の踊り場まで来たところで、やっとこっちを振り返った。



「うまくいったんだろ?」


「あ、うん……それで、この前はその……ごめんね?」


「謝んなって。余計なことした自覚はあったしな。それにしても、いちいち俺に報告しなくていいっつーの。お前も怜音もマジで律儀っつーか、似た者同士だよな」



ぶつくさ言いながら下唇を突き出して、子どもみたいな表情を見せる大雅。


傷付いたような顔をしながらも、最後は呆れたように笑ってくれた。


どうしようもないほどのバカな私を、好きになってくれてありがとう。


ビックリしたけど、大雅の気持ちはとても嬉しかった。



「それで、その……大雅さえ良ければ、これからも、友達として仲良くしてほしいんだけど……」



モジモジしながら上目遣いで大雅の顔を見つめる。


勝手かもしれないけど、このまま友達でいられなくなるのは嫌だ。


ワガママかもしれないけど、大雅とは友達でいたい。



「当たり前だろ。怜音としずは、俺の一番の親友なんだからな!」


「大雅……っ」


「おっと、泣くなよ?お前に泣かれたら、どうしようもなくなる」


「泣かないよーだ!強くなるって決めたから」



もう泣かない。


これからは、ツラいことがあっても笑えるようになる。


大雅、ありがとう。


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