ずっと、キミが好きでした。


それからは待ち望んでいた日々が始まった。


放課後に待ち合わせてデートをしたり、ちーにもれおを紹介した。


『顔で選ばないって言ってたのは、どこの誰だよ!』と鋭いツッコミを入れられたけど、ちーはすごく喜んでくれた。


れおと同じ高校に通う京太君は、れおの一番の友達だったこと。


京太君に時々手話を習っていること、京太君の彼女はなんと!れおに手話を教えていたあーちゃんこと小松さんだったこと。


れおとあーちゃんが2人でレッスンをすることはほとんどなく、京太君も交えて3人ですることがほとんどだったようだ。


あの冬の日は京太君の都合がつかなくて、たまたま2人ですることになったみたい。


れおと過ごすようになって、あーちゃんや京太君とよく遊んだりするようになった。


ゴールデンウィークには一緒に同窓会に参加して、夏休みにはプールや花火大会でたくさんはしゃいだ。


テスト前にはれおの部屋で一緒に勉強したり、ゴロゴロしているうちに寝てしまって、れおを呆れさせたこともしばしば。


中学の時と明らかに変わったことは、私もれおと同じように手話を習うようになったことと……。



「しず、こっち来て」


「なに?どうしたの?」


「抱き締めたくなった」


「……なっ!」



私を照れさせるようなことを平気で言い、恥ずかしさに耐える私の腕を引っ張って、自分の方に引き寄せる。


れおの胸と腕にスッポリ覆われ、身動きが取れなくなった。


< 195 / 251 >

この作品をシェア

pagetop