ずっと、キミが好きでした。


でも、でも……!


ちょっと聞き逃しがちになったけど、さっき『俺の彼女』って言ったよね?


私のことを彼女だって認めてくれてるってこと?


彼女でいていいの?


だって、そういうことだよね?


ヤバい……なんだかすごく嬉しい。



「なににやけてんだよ?俺は一応、怒ってるんですけど……はぁ」


「えー?だ、だって……れおが、彼女って」


「…………」


「嬉しいからにやけてるんだよー!」


「しずって、マジでそういうとこあるよな。俺が怒ってることに気付かないで、意味わかんないこと言ってにやけてんの。1人で怒ってる自分が、バカバカしくなる」



じと目で見られて、うっと言葉に詰まる。


まだご機嫌は戻らないらしい。


それにしても、今までれおが怒っていたことなんてあったっけ?


考えてみても、思い当たる節がないんですけど。



「まぁまぁ、バカバカしくなるんだったらもう怒らないで?ね?」



宥めるようにれおの肩をポンと叩いた。


それでも、一向にれおのご機嫌は元に戻りそうにない。



「大体、しずはいっつも無防備なんだよ。さっきだってあんなに顔寄せられて、あいつと見つめ合ってるし」


「そ、それは……」



向こうがいきなりして来たからで、見つめ合ってたつもりはないんだけど。



「昔からしずはフワフワして頼りないっていうか……俺が目を離した隙にどっか行きそう。それを俺は、必死になって追いかけるんだ」


「行かないよ。ずっと、れおのそばにいるもん」



それにしても、フワフワして頼りないってのは言い過ぎじゃない?


れおって、怒ったら結構ズバズバ言うんだ?


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