ずっと、キミが好きでした。
第5章〜ずっと、キミが〜
1年記念
高校3年、春。
私とちーはまた同じクラスになり、抱き合って喜んだ。
残念ながら大雅とは離れてしまったけど、顔を合わせれば前みたいに話す仲。
相変わらず憎まれ口ばかり叩かれるけど、前みたいな関係に戻れてホッとした。
れおとの付き合いも、相変わらず順調。
「で、もう体の関係まで発展しちゃった?」
「ちょ!なに言ってんの、こんな真昼間から!」
お昼休み、向かい合ってお弁当を食べていた私とちー。
ハンバーグを口に入れようとした時、突然ちーが変なことを言い出した。
「え?だって、毎日のように家で会ってるんだよね?」
「逢ってるけど……!ちーが期待するような進展はないよ」
「えー、そうなんだ?つまんない」
「つまんないって……。いいの、それでも幸せだから」
「そっかそっか。しーはお子ちゃまだもんね」
ムッ。
バカにされた。
れおの部屋ではお菓子を食べながらDVDを観たり、一緒に手話の勉強をしたり、ゴロゴロしたりするだけでちーが望むような進展はまだない。
でもまぁゴロゴロしてるのは私だけで、そんな時れおは手話の本を読んだり、学校の勉強をしたり、マンガを読んだりしてるけどさ。
でも、一緒にいられるだけで幸せだからそれでいい。
れおだってそう思ってるはず。
だって、未だにキスしかして来ないし。
れおは紳士だから、そんなことを考えてすらいないと思う。