ずっと、キミが好きでした。
しばらくまた砂浜でぼんやりしていると、カバンの中に入れていたスマホが震えていることに気付いた。
「やっちゃんから電話だ。出てもいい?」
電話の手話を使ってれおに断りを入れる。
すると、小さく頷いてくれた。
「もしもし、しずく?」
「やっちゃん、どうしたの?なんかあった?」
「今ちーと一緒なんだけど、桐生君とのデートはどうかなーって話してたんだ。どう?進展あった?」
「ヒマ人か。進展っていうか、砂浜で黄昏れてるよ。いい天気だから、すっごい気持ちいいんだよね」
「えー、なにその老年夫婦のようなやる気のない感じは!」
「ろ、老年夫婦……?」
私たち、まだ高校生なんですけど。
「1年記念でしょ?家に誘われたり、お泊まりに誘われたりはしなかったの?」
「家には誘われたけど……それはいつものことだし」
「その時なんか言われなかった?」
「何かって言われても……あ」
「なに?なんか言われたの?」
「両親が泊まりで出かけるから、遅くなっても平気だって。最近は夕方くらいまでしかれおの家にいることがなかったから、夜遅くまで一緒にいようってことかな」
「キャー!それって、あれでしょ?ちゃっかり誘われちゃってるじゃん!」
「え?なにが?」
やっちゃんの言ってる意味がまったくわからないんですけど。