ずっと、キミが好きでした。


1週間ほどで退院した私を待ち受けていたのは、中3の時にも味わった受験勉強の毎日。


お母さんにお願いして塾に通わせてもらい、れおもれおで家庭教師の先生と毎日のように勉強に励んでいた。


逢える時間は激減したけど、メッセージのやり取りだけは欠かさなかった。


れおも頑張ってるんだから、私も頑張らなきゃ。


寂しいなんて言ってる余裕はない。


「しずくー、怜音君が来てくれたわよ」


「え?れおが?」


「よっ!」


コタツで勉強してたらふすまの向こうにれおが立っていた。


わー、こんな格好恥ずかしい。


パジャマの上に髪はボサボサ。


思わずコタツ布団で体を隠した。



「来るなら前もって言ってよー。オシャレしたのに」


なんて言いながらも、嬉しくてつい頬がゆるむ。


れおに逢うのはかなり久しぶり。


「急に逢いたくなったから」


「へへ、嬉しい」


私も逢いたかった。

久しぶりに逢うれおは、髪が伸びてさらに大人っぽくなったような気がする。


「おばさんは仕事?」


「うん。夜勤だから、もうすぐ出ると思う」


「そっか。なら、俺も帰ろっかな」


「え?もう?来たばっかじゃん」


座ってすらないし。

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