ずっと、キミが好きでした。
「顔を見たらすぐ帰るつもりだったから。これ、差し入れ」
れおがくれたビニール袋の中には、私とお母さんが大好きなみかんが大量にあった。
それプラス、チョコとココア。
「ありがとう。ちょっとくらいゆっくり出来るでしょ?座って座って」
「じゃあ、少しだけ」
手招きするとれおは私の隣に腰を下ろした。
不意に手と手が触れてドキッとしてしまう。
れおが隣にいるだけで、こんなにドキドキするなんて。
チラッと隣をうかがうと、心なしかれおの顔もほんのり赤かった。
「じゃあお母さんは仕事に行くから。怜音君、ゆっくりしてってね」
「どうも」
「行ってらっしゃい」
玄関のドアが開くと、冷たい真冬の風が部屋の中に入り込んだ。
「外、寒かったでしょ?」
れおの手を取り、軽くこする。
手袋をしてないれおの手は氷のように冷たかった。
「うん、寒かった。だから、しずがあっためて?」
「え?」
「キス、していい?」
「……っ」
至近距離で熱のこもった瞳で見つめられ、息が出来なくなりそう。
ドキンドキンと跳ね上がる鼓動。
「いや?」
「ううん、嫌じゃ……ない」
ゆっくりれおの顔が近付いて来たかと思うと、そのまま唇が重なった。