ずっと、キミが好きでした。


柔らかいれおの唇の感触。


抱きしめてくれる腕にドキドキして、もっと……もっとしてほしいって気持ちが溢れて止まらなくなる。


れおが好きだよ。


軽く触れるだけのキスじゃ足りない。


そう思うようになったのはいつからだろう。


離れて行こうとするれおの唇に、今度は私からキスをした。


何度も何度もれおの唇に口付ける。


「れお……好き」


大好きだよ。


あとどれくらい、れおとこうしていられるかな。


残された時間はあとどれくらいかな。


そんなことを考えたら、とてつもなく寂しくなるからやめた。


「れお、大好き」


首に手を回してギュッと抱きつく。


何年離れていても平気なように、れおの温もりを覚えておきたい。


「しず……これ以上は、ヤバいから」


戸惑ったように揺れるれおの瞳。


かすれたその声がやけに色っぽくて、ドキドキさせられた。


「頼むから、離れて」


「やだ」


「しず」


「いや」


れおの前だと子どもみたいになってしまう。


だけど、離れたくない。


れおが好きなんだもん。


私の温もりを忘れないで。


遠くに行っても覚えていてほしいよ。


「なに泣きそうな顔してんだよ」


「して、ない」


顔を見られないように、れおの肩に顔を埋める。


れおの手が遠慮がちに腰に回されてギュッと抱きしめてくれた。


「しず。離れるのツラい?」


「ううん……ツラく、ない」


だって、背中を押したのは私だもん。


一番にれおの夢を応援してるのは、この私。


「でも、震えてんじゃん」


「震えて、ない……」


私の声はれおには届かないから、首を大きく横に振って返事をする。


「ツラいなら、振ってくれていいから。それに、俺を待たなくていい」


れお……。


どうして、そんなことを言うの……?


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