ずっと、キミが好きでした。


私は……れおが好きだって言ってるじゃん。


それなのに、どうして突き離そうとするの?


「他に良い奴がいたら、そっちに行けばいい。俺は……しずの幸せを願うから」


やけに静かな声だった。

知ってるよ。れおが冗談でそんなことを言ったわけじゃないってこと。


だから余計に苦しかった。


「れお以外……いらない。れおが好きなんだよ」


耳元で囁いたけど、私の声はれおには届かない。


いくら叫んでも……れおには届かない。


「待たなくていいなんて……言わないでよ。バカァ」


不意に涙が出そうになって、唇を噛み締めた。


「しずが隠れて泣くくらいなら、俺のことは忘れてくれていいよ。もう二度と……傷付けたくないんだ」


「…………」


バカだね、れおは。


れおと離れることより、別れることの方がツラいに決まってるのに。


どうしてわかってくれないの?


「だから、俺のことは待たなくていい。好きな奴が出来たら、遠慮なくそっちに行け。だけどーー」


緊張しているのか不安なのか、れおの体が小さく震えている。

抱きしめてくれている腕の力が強まったのがわかった。


だけどーーなに?


「夢を叶えて帰って来た時は、全力で奪い返しに行くから覚悟しとけよな」


頭をポンと撫でられて、涙が一筋頬を伝った。


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