ずっと、キミが好きでした。


「しずく、本当にいいの?」


「やっちゃん、何がー?」


「桐生君の見送りに行かなくてだよ!何がじゃないでしょ、何がじゃ」


眉を吊り上げて鬼のごとく怒るやっちゃん。


可愛い顔が台無しだよ。


それにね……。


「行ったって……ツラいだけだもん。れおも来なくていいって言ってたし、私も荷造りしなきゃ」


なんて、言い訳がましく言ってみる。


卒業式を終えて、無事に迎えた春休み。


私とれおはそれぞれ第一志望の大学に合格し、私は都内へ、れおはカリフォルニアへ行くことになった。


今日はやっちゃんとちーと私の3人で、プチお別れ会をしているところ。


お別れ会といっても、やっちゃんの部屋でお菓子を食べながら話しているだけなんだけど。



「しずくが落ち込んでるところ申し訳ないんだけど、私、柳井 亜子にもついに彼氏が出来ましたー!」


「「えっ!?」」



私とちーは2人で目を見合わせて驚いた。


やっちゃんに彼氏が!?


ついに!?



「いやー、本当は女子アナになってサッカー選手と結婚して玉の輿に乗るぞ!って意気込んでたんだけどね〜。やっぱり、初恋の相手は特別だっていうじゃん?」


「初恋の相手……?やっちゃんの相手って誰?まさか」



幸せそうに頬を赤らめるやっちゃんに詰め寄る。



「そう、大雅君でーす!」


「うそっ!?」


< 236 / 251 >

この作品をシェア

pagetop