ずっと、キミが好きでした。


やっちゃんと大雅がいつの間に!?


やっちゃんが大雅を好きだった頃のことを知ってるから、純粋に嬉しい。


そっか、大雅とやっちゃんがね……。


みんな前に進んでるんだ。



「やっちゃーん!よかったね、おめでとう!」



嬉しくてついつい頬がゆるむ。


やっちゃんも大雅も幸せなんだ。


よかった。


本当によかった。


2人とも、大切な私の親友だもん。


大雅の奴、やっちゃんを泣かせたら承知しないんだから。



「まぁでも、誰かさんは大雅君に告られたことをあたしに隠してたけどねー?どれだけ傷付いたか、わかる?」


「や、やっちゃーん……それは何度も謝ったじゃん。いい加減時効じゃない?」


「ない!」



愛想笑いを浮かべる私に、やっちゃんはピシャリと言い切った。


そんな私たちを見て、苦笑いをするちー。


何気ないこんなやり取りも、もうすぐ出来なくなる。


みんなと離れるのはすごく寂しいけど、大学生活は楽しみでもあるからワクワクの方が大きい。


れお……私も頑張るね。


頑張って強くなる。


もう泣かないよ。



「しー、やっぱり見送りに行った方がいいんじゃない?さっきから時計ばっかチラチラ気にしてる」


「えっ……?そ、そんなことないよ」



う、バレてた。


鋭いちーに見抜かれてた。



「今行かなきゃ、数年は会えないかもしれないんだよ?」


「…………」


「一生会えない可能性だって、なきにしもあらずなんだよ?それでもいいの?」


一生……逢えない。


そんなの。


「……いや」


「だったら、行きなよ。じゃないと、後悔するよ」


「……うん」



決心して私は立ち上がった。


今逢わなきゃ、後悔する。


そんなのは嫌だ。


< 237 / 251 >

この作品をシェア

pagetop