ずっと、キミが好きでした。
「ふーん、ミーハーだな」と再び興味がなさそうに返事をしたれおは、私の話に飽きたのかベッドの上でゴロンと寝返りを打った。
「もう」
こっちに背を向けたということは、れおはこれ以上私の話を聞く気がないということ。
聞く気がないというか、聞けないというか。
のんきにマンガを読み始めてるし。
「れお」
私の声にれおは反応せず、壁の方を向いてマンガに集中している。
れおのサラサラの黒髪が、ベッドの上でサラリと揺れた。
ほのかに漂うスカッシュ系の甘い匂いに、胸がキュンと締め付けられる。
「れーおってば、こっち向いてよ」
かまってくれないのが寂しくて、無防備なれおの脇腹をくすぐった。
だって、こうしなきゃれおに気付いてもらえない。
普通に呼びかけるだけじゃダメなんだ。
「うわっ……おい、しず、やめろって。ははっ」
不意を突かれたれおの体がベッドの上で大きく揺れる。
私はベッドの端っこに腰掛けて、さらにれおの脇腹をくすぐった。
「ははっ、俺、ほんとそこダメ……しずっ」
「ふふ、れおの弱点は知り尽くしてるもんね。私にかまってくれないからだよーだ」
「わ、悪かったよ、ごめんって……っ、はは」
それでも、私はくすぐるのをやめなかった。
単純にれおのこういう姿を見るのは楽しい。
「しーず、いい加減にしろって」
突然ガシッと腕を掴まれて、れおの脇腹から手を離された。
少しふてくされたようなれおの目が、スネているように思えてすごく可愛い。
「私の話を聞かなかったバツだよ」
「ったく、子どもか」
「ふーんだ!」