ずっと、キミが好きでした。
穏やかな日々
「で、結局しずくは明倫学園を受験することにしたの?」
「うん、制服可愛いし。何より、明倫以外に行きたい高校が思い浮かばないから」
「そっか。まぁ、いいんじゃない?動機がどうであれ、トップクラスの進学校に行ける頭があるんだから」
「やっちゃんは桜花女子だよね?桜花も十分進学校じゃん」
「まぁね」
やっちゃんも、本気を出せば明倫学園に受かると思う。
だけど、桜花に通うことが小さい頃からの夢だったらしい。
桜花は大学までエスカレーター式で、アナウンサーやテレビ局やマスコミ関連の会社に多くの卒業生が就職すると聞いたことがある。
やっちゃんはアナウンサーを目指していて、夢に向かって頑張る気満々だ。
この歳ではっきりした夢があるって、単純にすごいと思う。
私なんてなにがしたいか全然わからないというのに。
れおは将来どうしたいんだろう。
夢とかあるのかな。
聞いたことないけど、しっかりしてるから考えがあるのかもしれない。
私は……なにがしたいんだろう。
自分のしたいことがよくわからない。
「しず、ちょっと」
昼休み、やっちゃんがトイレに立った隙に大雅が私の元へとやって来た。