ずっと、キミが好きでした。


大雅はれおの親友で、2人は常に一緒にいる。


だけど、れおは今教室にいない。


さっき先生に呼ばれて、どこかへ行ってしまったからだ。



「どうしたの?」


「うん、あの、さ……」



威勢が良いのと元気さだけが取り柄の大雅だけど、今の大雅はかしこまって明らかに様子がおかしい。


心なしか、顔が赤いような気もする。


一体、なんなの?



「あ、もしかして、私に愛の告白?」



私はニヤッと笑って大雅の顔を下から見上げた。



「ばっ、なわけねーだろうが、バーカ!自惚れんなよ」



ムキになってますます顔を赤くさせる大雅は、視線をあちこちに泳がせながら、かなりの挙動不審っぷりを発揮した。


れおが黒髪爽やか系男子なら、大雅は茶髪のやんちゃ系男子。


大雅には昔からイジワルばかりされているけど、なぜか女子ウケはいいようでれお同様にモテている。



「失礼な。そんなに必死になって否定しなくても良くない?冗談で言っただけじゃん」


「お前の冗談はいつも笑えねーんだよ!」


「はぁ?じゃあ、そのモジモジした態度やめてくれる?」


「モジモジなんてしてねーし!」


「してる!」


「してねー!」



大雅はれおよりも遥かにガキッぽい。


相手をしてたら日が暮れちゃうから、ここは仕方なく私が折れてあげることにする。


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