ずっと、キミが好きでした。
大雅は赤いままの顔でこっちを振り返りながら、ポツリとそうつぶやく。
「うん。離れ離れになるのはツラいけど、れおの笑顔を壊したくはないから」
「お前はそれで平気なの?」
「平気っていうか、それを乗り越えることが私の試練だから耐えてみせるよ」
ガッツポーズをして大雅と向き合う。
大雅はそんな私にフッと笑みをもらした。
「お前らしいな。ま、ツラくなったら話ぐらい聞いてやるよ。俺も明倫を受験する予定だから」
得意げに大雅が鼻をすすった。
アプリコットブラウンの彼の髪がサラリと揺れる。
天然だって言い張っているけど、夏休み前は黒かったからムリがある。
「え?大雅って、そこまで頭良かったっけ?」
「バーカ!俺が本気を出せば、明倫なんて余裕に決まってんだろ?」
得意げに語る大雅を疑いの目で見つめてしまう。
私が思うには、死ぬ気で頑張らないと受からない気がするんだけど。
「俺、夏休み前から塾に通ってんだよ。この前の模試ではB判定だった」
「ウソ、信じらんない」
「そのうち見返してやるから、覚悟しとけよな」
大雅も目標に向かって頑張ってるってことなのかな?
だったら、私もウカウカしていられない。
頑張らなきゃ。