ずっと、キミが好きでした。


無意識に頬がゆるんで笑いがもれる。


本当早く2月にならないかな。



「しず、苦しい」



思わずニヤついていると、れおの声が聞こえてハッと我に返った。


勢いよく抱きついた私を、れおは支えてくれている。


寄りかかりながら首に手を回しているという現状を理解して、一気に頬が熱くなった。



「わ、ごご、ごめんっ!」



わー、私ったら!


いくら嬉しいからって、れおに抱きつくなんて!


恥ずかしすぎて穴があったら入りたい気分だよ。



「しずって、嬉しいことがあると誰かれ構わず抱きつくよな」


「そ、そんなことないよ」


「…………」


「ほ、ほら、抱きつくのはやっちゃんとか。男子はれおくらいだよ?誰かれ構わずっていうのは、言い過ぎだよ」


「こないだ、大雅の手をギュッてしてただろ」


「えー?いつ?してないよ!」


「…………」



あれ?


なんだか、責められてるような気がするのは気のせい?


れおの目が怖いんですけど。


えへって可愛く笑ってみたけど、れおは笑ってくれなかった。



「無意識ってのが一番タチ悪いよ、しず」


「無意識……?まったくもって、覚えがないんですが」


「それを無意識って言うんだろ。俺はいいけど、された他の男はカン違いするから、むやみにベタベタすんな」


「カン違い?なにをカン違いするの……?」


「…………」



れおの言ってることの意味がよくわからない。



「しずって、マジで小悪魔」



そんな風に囁かれ、ますますわけがわからなかった。


とにかく、ベタベタしなきゃそれでいいってことだよね?


うん、そういうことにしておこう。


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