ずっと、キミが好きでした。
第2章〜溢れる想い〜
隠された本音
冬休みに入って、推薦入試までいよいよ1ヶ月を切った。
塾に通っていない私はれおにオススメしてもらった参考書や問題集を片っ端から解き、入試に向けて全力を注いでいる。
それでも、今日はクリスマス。
受験生にクリスマスも何もないってれおは言ったけど、ただ今ケーキを持ってれおの家に向かっています。
勉強は、帰ってからちゃんとするよ?
ちょっとだけ……ちょっとだけれおの顔を見に行く。
甘い物が食べれないれおにブラックコーヒーを差し入れして、私はケーキを食べたらすぐに帰る予定。
れおの家の敷地内はかなり広くて、プロによって綺麗に手入れされた庭や噴水がある。
建物は洋風でかなりオシャレな外観。
王子様みたいなれおにピッタリ。
「あ、カナさん!」
家の前まで来た時、門の鍵を開けようとしているカナさんを発見した。
カナさんはれおのお父さん。
「おう、しずくか。久しぶりだな」
「うん!」
スーツをピシッと着こなすカナさんは、フェロモンたっぷりの笑顔を振りまきながら、私の頭を乱雑にガシガシ撫でた。
サクさんもカナさんも私を本当の娘のように可愛がってくれて、母子家庭だからと今でも何かと気にかけてくれている。
れおの優しさはサクさん譲りで、王子様みたいな外見はカナさん譲り。