ずっと、キミが好きでした。
「れお……」
「しず」
私の声を遮ってれおが口を開く。
れおは何事もなかったように「ケーキ、早く食べないと俺がもらうぞ」と微笑んだ。
甘い物が苦手で食べられないくせに。
そんな風にごまかされると何も聞けなくなり、れおの本音がわからなくなる。
れおは一体、どれくらいの本音を隠して来たのかな。
私には何も言ってくれないから、わからないよ。
話してほしいと思うのは、私のワガママなのかな。
だって、私ばっかりれおに何かをしてもらってばっかりだから。
少しは恩返しがしたいんだ。
キミの中にどれほどの苦しみが存在しているのか、知りたいと思うのはおせっかいなことですか?
「そりゃおせっかいなことだね」
「うっ。そんなはっきり言わなくても……」
クリスマスから2日後の12月27日、午後1時35分。
午前中にやっちゃんからのお誘いを受け、私たちはファーストフード店にいた。
受験勉強の息抜きをしようということで、勉強道具は一切持たずスマホと財布だけを持ってやって来た。
「桐生君は人に頼らずに、自分で道を切り拓いていくタイプじゃん?きっと、人に相談するっていうこと自体が選択肢にないんだよ」
「選択肢にないって……そうなんだ?」
「しずくはなんでもかんでも人に頼ってるから、わからないだろうけどね」
「やっちゃん、ひどい。私だって、自分で道を切り拓いていけるもん」
「はいはい」
テーブルをバンバン叩きながら猛抗議すると、サラッと流されて終わった。
ううっ、やっちゃんひどい。