ずっと、キミが好きでした。
さまざまな想い
毎年年末年始は母方のおばあちゃんの家で過ごしていたけど、今年は受験生だからということで家での年越しとなった。
お母さんは年末年始も仕事だったから一緒にいる時間はあまりなかったけど、勉強ばかりしてたからそれほど寂しさも感じなかった。
毎日吐きそうになるくらい勉強して、死んだように眠る日々。
これまでの人生でこんなに勉強したのは初めてかもしれないと思うほど、朝から夜まで頑張った。
れおややっちゃんも頑張っているんだと思ったら、ツラくても頑張ることが出来た。
そして、冬休みが明けた新学期初日。
「ずっと、好きだったの……よかったら、あたしと付き合って下さい!」
教室の前に着いた時、中からそんな声が聞こえて来た。
まだ朝早いから誰も来ていないと思ったのに、どうやら違ったみたい。
しかも、聞こえた会話の内容からして告白っぽいし……。
ドアにかけた手が止まり、そこから一歩も動けなくなった。
周囲に人の気配はなく、シーンとした静けさが漂っている。
ーードキドキ
自分が告白したわけでもないのに、なぜか変にドキドキして来た。
一体、誰が誰に告白したんだろう。
ドアが閉まっているから、中が見えなくてもどかしかった。
「ごめん……俺、誰とも付き合う気ないから」
え……?
申し訳なさそうに謝る男子の声に、思わず目を見開く。
この声って……まさか、れお?