ずっと、キミが好きでした。


確かに、今まで聞かなかったけども!


それでも、教えてくれたってよくないですか?


私たち、親友じゃなかったの?


なんて、ここぞとばかりにそんなことを思ってみたり。


やっちゃんは私の話を聞くばかりで、どうやら秘密主義のようです。


仲が良いからといって、なんでも知った気になるのはダメだってことかな。


れおのこともそうだ。


私の知らないれおが、まだまだいるのかもしれない。


そう考えると、なんとなく寂しくなってしまった。


オープンな性格の私はなんでも人に話したがるけど、そうじゃない人だっているよね。


れおもやっちゃんも、そっちのタイプだ。


まぁ、やっちゃんの場合は聞いたら教えてくれそうだけど、れおはどうだろう。


色々考えていると、予鈴が鳴ってみんな自分の席に戻り始めた。



「受験が終わったら、ゆっくりあたしの話も聞いてね!」


「うん、質問攻めにしちゃうんだからっ!」


「あはは、しずくに質問攻めにされるって変な感じ」



それからすぐに担任の先生がやって来て、教室内は一気に静かになった。


受験までもう少し。


とにかく今は、余計なことを考えずに受験勉強に専念する。


うん、頑張ろう。


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