ずっと、キミが好きでした。
そう思って授業に集中してみようとするけど、やっぱり気になる。
れおの好きな人が誰なのか。
頬杖をつきながら、教卓の方ではなく、廊下側の一番前の席に座るれおを見つめる。
斜め45度の角度から、チラッとだけ見える真剣な横顔。
れおは先生の声を聞き漏らさないように神経を集中させて、授業に聞き入っている。
相変わらず、真面目だなぁ。
それでも、ギャグを織り交ぜながら授業をする先生の時は、れおの真剣な横顔がフニャッと綻ぶ瞬間がある。
その瞬間がたまらなく好きで、今みたいによく見つめてしまってるんだよね。
私って、本当にれおが大好きなんだなぁ。
はぁ。
思わず漏れるため息。
「月城。ため息吐くほど、先生の授業は面白くないか?」
「えっ……?」
私のため息は思いの外大きかったようで、一番後ろの席なのにも関わらず、教卓の先生のところまで届いたようだ。
げっ、やばっ。
「す、すみません!考え事してたら、つい……」
「考え事ー?授業中にか?どうせ、くだらん事でも考えてたんだろう?」
呆れたような目で私を見る先生は、やれやれというように息を吐く。