ずっと、キミが好きでした。


そう思って授業に集中してみようとするけど、やっぱり気になる。


れおの好きな人が誰なのか。


頬杖をつきながら、教卓の方ではなく、廊下側の一番前の席に座るれおを見つめる。


斜め45度の角度から、チラッとだけ見える真剣な横顔。


れおは先生の声を聞き漏らさないように神経を集中させて、授業に聞き入っている。


相変わらず、真面目だなぁ。


それでも、ギャグを織り交ぜながら授業をする先生の時は、れおの真剣な横顔がフニャッと綻ぶ瞬間がある。


その瞬間がたまらなく好きで、今みたいによく見つめてしまってるんだよね。


私って、本当にれおが大好きなんだなぁ。


はぁ。


思わず漏れるため息。



「月城。ため息吐くほど、先生の授業は面白くないか?」


「えっ……?」



私のため息は思いの外大きかったようで、一番後ろの席なのにも関わらず、教卓の先生のところまで届いたようだ。


げっ、やばっ。



「す、すみません!考え事してたら、つい……」


「考え事ー?授業中にか?どうせ、くだらん事でも考えてたんだろう?」



呆れたような目で私を見る先生は、やれやれというように息を吐く。


< 66 / 251 >

この作品をシェア

pagetop