ずっと、キミが好きでした。


「く、くだらなくなんかないです!将来のこととか、色々考えなきゃいけない事が……」



れおの事を考えてたなんて、口が裂けても言えないよ。



「お前なぁ。今は授業中だろ?将来のこともいいけど、もっと授業に集中しろ」


「はぁい、すみませんでした」



素直に謝ると、先生は何事もなかったかのようにすぐに授業を再開させた。


ぼんやりしてた間に板書はかなり進んでいて、私は慌ててシャーペンを握り直す。


そしてノートに書き込もうとした時、どこかから視線を感じて辺りを見回した。


すると、れおの後ろの席の大雅が振り返って私を見ていることに気付いた。


不意に目が合い、お互いそらすことなく数秒経過。


なに?


私が首を傾げたのとほぼ同時に、大雅がフッと口元をゆるめた。


バカにしたような、からかうような笑い方。


大雅はそのままプイと前に向き直り、ノートに集中し始めた。



な、なんなのよ。


バカにしてー!


大雅の奴、あとで懲らしめてやるんだから。



れおは私と先生のやり取りが聞こえていなかったようで、ひたすらノートを取ることに集中している。


前に一度だけ、授業中の先生の声はほとんど聞こえないって言ってたことがある。


れおがここまで秀才なのは、家庭教師の先生の指導のおかげ。


でも、それ以上にれおが一生懸命頑張っているからなんだと思う。


そんなひたむきなところも、たまらなく好き。


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