ずっと、キミが好きでした。
「れお、お金」
お店を出たあと、まとめてお会計をしてくれたれおの肩を叩いて千円札を渡そうとした。
「いいよ、今日はしずの誕生日なんだし」
「でも」
「変なところで気を遣わなくていいから」
「あ、ありがとう」
戸惑いながらも、れおに向かってペコッと頭を下げる。
素直にその言葉に甘えることにした。
「どういたしまして」
さっきまでのわだかまりがウソのように、優しくにっこり笑うれお。
私はそんなれおを見てホッと胸を撫で下ろした。
よかった、元に戻ったみたいだ。
「しずの誕生日プレゼントを探しに、その辺ブラブラしよう」
「え?」
「今年は一緒に選ぼう」
「うん!」
嬉しくて頬が綻ぶ。
毎年れおが選んだプレゼントをもらえるのも嬉しかったけど、一緒に選べるのも嬉しい。
こんなに幸せでいいのかな。
なんだか、怖いくらいだよ。
れおの好きな人って……誰なんだろう。
もしかして、私……?
いやいや、絶対にそれはないよね。
幼なじみだから、優しくしてくれてるだけ。
れおはみんなに優しいから、自惚れちゃダメ。
それでも、私だったらいいなって、心の奥でそんなことを思ってた。