ずっと、キミが好きでした。
ショッピングセンターの中を歩いて回り、オシャレな雑貨屋さんに来た時だった。
可愛い雑貨たちに目を奪われているうちに、いつの間にかれおの姿が見えなくなった。
集中しすぎると、1人でウロウロしてしまうクセがある私のせいだ。
昔はお菓子売り場を1人でウロチョロして、よくお母さんに怒られたっけ。
店内は狭いし、探せばすぐに見つかるはず。
「すっごいカッコいいですよね!お1人ですか?」
「もしヒマなら、私たちと一緒に遊びましょうよ!」
女の子たちのキャピキャピ声が聞こえて、ふとそこを見る。
そこにはギャル系の女子2人に囲まれたれおが、困惑顔で立っていた。
れおはいきなり声をかけられて、わけがわからないといった様子。
相手が何を言っているか聞こえないから、困っているんだろう。
っていうか、それ逆ナンだからっ!
真面目に相手しなくていいよ、れお!
「私のツレに何か用でも?」
慌てて駆け寄り、ギャルとれおの間に割って入った。
れおは私の姿を見るとホッとしたように安堵の息を漏らす。
「え、なに?あんた、彼女?」
2人のうちの1人が、私のことを上から下まで舐め回すように見つめて無愛想につぶやく。
れおに向けていたキャピキャピ声とはえらい違いだ。
「ただの幼なじみですけど」
「幼なじみ、ね。だったらいいじゃん、あたしらと遊びに行こうよ」
ギャルはフンと鼻を鳴らしながら私から顔をそらすと、私に見せつけるようにわざとらしくれおの腕を取った。