ずっと、キミが好きでした。


ギャルに引っ張られながら、れおが困惑顔で私を見つめる。



「しず、どういうこと?この人、なんて言ってる?」



れおは自分が言い寄られていることなんてつゆ知らず、私とギャルの顔を交互に見て未だ困惑顔を浮かべている。


私は再びそのギャルの前に立ちはだかった。



「やめてもらえませんか?」


「いいじゃん、ちょっと遊ぶだけだし。何より、本人は嫌がってないんだし」


「それは」



聞こえてないだけで、聞こえてたらこんな誘いなんてすぐに断ってるはずだもん。


もう1人のギャルは「サエ、もうやめようよ」と止めに入っているけど、サエっ子は聞く耳を持っていない。


それどころか、さらにれおの腕を強く引っ張った。



「すみません、俺、耳が悪くて。あなたが、なんて言ったかわからないんです」



そんなサエの動きを止めたのは、れおの声だった。



「え?は?」



サエは目をパチクリさせながら、れおの顔をまじまじと見つめる。



「俺、耳が聞こえないんです」


「え?ほんとに?」


「はい。それに今はツレとデート中なので、こういうことは迷惑です」



……れお。


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