ずっと、キミが好きでした。
ほら、そうやってすぐ私をドキドキさせるようなことをする。
れおって、本当に罪だよね。
「うわ、あっま」
「なななな、舐めた……!」
「だって、手に付いたままだったし。それに、お約束かなと」
舐めたよ、今。
私の口元のクリームを拭った手をペロッと。
わああ、恥ずかしすぎて顔から火が出そう。
なんで、そんなことがサラッと出来ちゃうわけ?
その仕草がやけに色っぽくて、なんだか知らない人みたいに見えた。
ますますれおがわからなくなる。
ねぇ、れお……。
私のこと、どう思ってるの?
気になりすぎて、喉元まで言葉が出かかった。
このまま声にすることが出来たら、きっと楽になる。
わかってるのに出来ないのは、自信がないからだ。
でも、いい加減はっきりさせたい。
このまま……モヤモヤしたまま過ごすのは嫌だ。
「れお」
「…………」
「れお……」
小さな私の声は、辺りの騒音にかき消された。
体に触れるか、合図をしてれおに話しかけなきゃ気付いてもらえないと知っていながらも、それが出来ない。
私の意気地なし。
頑張ってれおに想いを伝えなきゃ。
こんなチャンスは、もうないかもしれないよ?
「れお」
私ね……。
「れおのことが好きだよ」
またもや、私の声は騒音にかき消された。
届けたい人に届く前に、儚く散ってしまった。