ずっと、キミが好きでした。
フードコートを出て、ひと気のないベンチに座らされる。
れおは子どもをあやすように、優しくポンポンと私の頭を撫でた。
その手つきがあまりにも心に染みて、余計に涙が溢れた。
ごめんね、泣きたいのはれおの方だよね。
それなのに……。
「俺のために、しずが泣く必要ないから」
「な、なんで……わかる、の?」
私が、れおのことで泣いてるって。
どうして、れおにはバレちゃうのかな。
「しずが泣くのって、昔から俺のことばっかだし」
「なっ……」
な、なにそれ。
私、そんなに泣いてる?
「しずに泣かれるのが、一番ツラい。お願いだから、泣き止んで」
「う、うん……ごべんね」
泣きすぎて鼻声になった。
耳が聞こえなくたって、私たちは心が通じ合ってるからお互いのことがわかる。
それじゃダメ……?
それでいいよね?
心が通じ合ってる方が、特別だって感じるもん。
「ごめんね……もう、大丈夫」
その意を込めて、れおと繋がっている方の手にギュッと力を入れた。
ほっそりしているけど、私のより大きくて男の子って感じがするれおの手。
れおの手は、まるで私の心を包み込んでいるみたい。
ドキドキもするけど、それ以上にすごく安心する。
ずっと、れおとこうしていたいよ。
「俺のせいで、しずに嫌な思いをさせてごめん」
「ううん、れおのせいなんかじゃないよ!」
「でも、ごめん」
ギャルたちの心ない言葉に切れて怒ったのは私だから、れおが謝る必要なんてない。
だけど、れおは何度も私に「ごめん」と繰り返した。